[チューリヒ 13日 ロイター] - スイスの内閣は13日の閣議後、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)による国民全般向けのデジタル通貨創設について、利益よりも害が多く金融システムを不安定化させかねないとして消極的な見解を示した。
内閣は「誰でもアクセス可能な中銀発行のデジタル通貨は、現状ではスイスになんの恩恵も追加しない。むしろ新たなリスクを高め、特に金融安定に関するリスクが高い」と表明した。
中銀のデジタル通貨発行については、決済の効率性や金融政策の実効性、金融システムの安定性を高め、脱税や資金洗浄を減らすとして支持する声がある。これに対しては、中銀のデジタル通貨発行はこうした期待を完全には満たせず、導入に伴う悪影響がはるかに大きくなるとした。
その代わりに「金融市場のプレーヤーに限定する中銀デジタル通貨をもっと研究開発していくほうが、より有望な戦略に見受けられる」と指摘した。
スイスでは議会が政府に対し、電子スイスフランの創設の可能性を探るよう要請。中銀は一般大衆向けの導入には懐疑的な考えだ。
内閣は、大抵の中銀はこうしたテーマや考えられる影響を研究しているが、中短期的に発行を計画しているのは中国やスウェーデンなどほんの少数だと指摘した。 OLJPTEC Reuters Japan Online Report Technology News 20191216T023058+0000