[ロンドン 18日 ロイター] - 英国の競争・市場庁(CMA)は18日、米アルファベット傘下グーグル (O:GOOGL)とフェイスブック (O:FB)のオンライン広告での圧倒的なシェアがもたらす悪影響を抑えるため、規制を強化する必要があると指摘した。ただ、競争法上の本格調査には入らない意向を示した。
CMAは、政府が規制改革に前向きであり、巨大IT企業の扱いが世界的な問題となっている現状を踏まえ、調査よりも政府に提言を行うほうが適切と判断したと説明。「大手」企業は必ずしも「悪者」ではないとの見方も示した。
CMAによると、グーグルの英国における2018年の検索向け広告収入は約60億ポンドで、国内の検索広告収入全体の9割強を占めた。フェイスブックは同年、英国のディスプレー広告収入のほぼ半分を占めた。
CMAは今年7月に予備調査を開始。両社がどのようにデータを集め、利用しているかや、データを収益化する際の手法、データ管理の方法が競合社や利用者に与えている影響について調べた。
CMAのアンドレア・コシェリ最高経営責任者(CEO)は報告書で「大半の人は日々、ソーシャルメディアを見て、インターネットで検索している。ただ、これらの企業がどのように業務を行っているのかは、謎の部分がある」とした。
フェイスブックはCMAとの協議に全力で取り組み、英国の利用者には引き続き技術や関連広告の恩恵をもたらす決意だと表明した。
同社の広報担当者は「利用者が自身の情報の支配権を握り、データの利用に関して透明性を確保する必要があるというCMAの見解に同意する」とし、フェイスブックのサービスでは特定の広告主について、完全に非表示にするオプションがあると説明した。
グーグルの英・アイルランド担当バイスプレジデント、ローナン・ハリス氏は、デジタル広告を巡り、CMAおよび英政府に引き続き協力すると表明。同社のサービスでは個人をターゲットにした広告を非表示にしたり検索履歴を自動的に削除するといった、利用者が簡単に個人情報を管理できる設定があると強調した。