[上海/ソウル 28日 ロイター] - 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、米フェイスブック (O:FB)や韓国のLG電子 (KS:066570)、英HSBC (L:HSBA)などの企業は、相次ぎ従業員の中国本土への渡航を制限している。
フェイスブックは、不要不急の渡航を差し控えるよう従業員に指示している。これまでに中国に渡航した従業員については、在宅勤務を指示したという。同社の広報担当者はロイターに「念のため、従業員の健康と安全を守る措置を取った」と説明した。
LG電子は、中国への渡航を全面的に禁止し、既に中国に出張中の社員に早急に帰国するよう指示した。同社の広報担当者が明らかにした。
ロイターが入手した社内メモによると、欧州最大の銀行で、外銀としては中国で最もプレゼンスの大きいHSBCは、今後2週間にわたり社員の香港への渡航を禁止。中国本土への渡航についてには、追って通知があるまで禁止する。
HSBCはさらに、ここ2週間で中国に渡航した社員や、湖北省への旅行者と接触のあった社員に対し、14日間にわたり自主的な隔離措置を講じるよう促しているという。
ロイターが確認したメモによると、米銀ゴールドマン・サックス (N:GS)も同様の措置を講じている。
ホンダ (T:7267)は社員に対し、中国への渡航を控えるよう指示。日産自動車 (T:7201)も政府のチャーター機で武漢から社員とその家族を帰国させることを計画しているという。
また、韓国の半導体メーカー、SKハイニックス (KS:000660)も中国本土への不要不急の渡航を差し控えるよう従業員に指示。スタンダード・チャータード(スタンチャート)銀行 (L:STAN)は中国本土と香港への渡航を制限している。
米政府は前日、中国への渡航を「再検討」するよう国民に警告。韓国もこの日、渡航の警戒レベルを引き上げている。
航空会社の中には、利用客の減少を受けて航空便のスケジュールを調整している会社もある。
韓国の格安航空会社エアソウルは中国行きの便を全て欠航にすると発表。台湾のチャイナエアライン (TW:2610)も中国便のスケジュール調整や欠航などを発表している。
香港のキャセイ・パシフィック航空 (HK:0293)は、中国本土で乗務員の一夜越しの乗り換えを減らしており、それに伴い一部スケジュールを変更しているとした。
独ルフトハンザ (DE:LHAG)は前日、中国発着便の予約を減らしたことを明らかにしている。
新型肺炎の死者は中国で100人を超えた。
*内容を追加しました。