[ワシントン 4日 ロイター] - 米司法省が米アップル (O:AAPL)への反トラスト法(独占禁止法)調査の一環として、同社のスマートフォン「iPhone」向けアプリの開発業者に聞き取りを行ったことが、開発業者や事情に詳しい関係者の話で明らかになった。
保護者が子供のスマホ利用を制限できる「ペアレンタルコントロール」アプリを手掛ける「モビチップ」の最高経営責任者(CEO)、Suren Ramasubbu氏はロイターに対し、11月に米当局にアップルとのやりとりについて質問を受けたと明らかにした。
同氏によると、モビチップは昨年、アップルが設定した基準を満たさなかったとして、一時的にアプリ配信サービス「アップストア」から削除されたという。
司法省の調査に詳しい関係筋はまた、同省がこれまで、アプリ開発業者数社に接触したと語った。
バー司法長官は12月、フェイスブック (O:FB)、アルファベット (O:GOOGL)傘下のグーグル、アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)、アップルに対する反トラスト法調査を2020年に終わらせたいと述べている。
アップルは直接のコメントは控えたが、ウェブサイト上の声明を参照してほしいと回答した。声明にはアップストアが「プライバシー、セキュリティー、コンテンツで高い基準」を満たすアプリを扱うよう意図されていると説明し、2016年以降、アップデートされていないなどの理由で140万個以上のアプリを削除したと明らかにしている。
<独自アプリ>
アップルは独自のペアレンタルコントロール・アプリ「スクリーンタイム」を2018年6月に投入。Ramasubbu氏によると、モビチップは19年初頭にアップルから連絡を受け、同社のアプリが技術的要素に関するルールに違反しているとの警告を受けた。
その後、モビチップはアップストアから削除され、同社はルールに適合させる形でアップデートを行ったという。再びアップストアに登場したのは19年10月だった。
ロイターが取材したペアレンタルコントロール・アプリ開発業者の幹部6人は、アップルとは18年半ばまで良好な関係を保っていたと語った。
ペアレンタルコントロール・アプリについてアップルはこれまで、開発業者による個人情報の入手を可能にする技術を用いるアプリに懸念を示すとともに、子供の個人情報を流出させないと確約しない限り、アップストアでの提供を認められないとの立場を示してきた。
ただ、一部の開発業者は、アップルにアップストアで提供するアプリの選択権があるかぎり、自社アプリと競合する商品を排除することが可能だと指摘する。