[26日 ロイター] - 米アップル (O:AAPL)の年次株主が26日開催され、中国政府の要請を受けたアプリ削除に批判的な株主が提出した議案が賛成40.6%、反対59.4%の反対多数で否決された。この種の議案はこれまで賛成票の割合が1割に満たなかったの対し、今年は4割強と賛成票が大幅に伸びた格好だ。
議案はアップルに「基本的人権としての表現の自由を公に尊重する」よう求める内容だった。アップルは昨年、香港でデモ隊が警察の動きを把握するために使用してきたアプリを削除した。
アップルは、各国政府の要請に基づきアプリを削除する際、すでに多くの情報を提供しているほか、各国の法律に従って運用しているとし、議案に反対した。
アプリ削除に批判的な株主が提出した議案への賛成票が今年大幅に増えたことについて、ハーバード大学ロースクールのシニアフェロー、スティーブン・デービス氏は、個人投資家だけでなく大規模機関投資家が票を投じたと指摘。アップルの中国における人権問題に関する方針が同社の評判にとって大きなリスクになりつつあるとして「投票結果を単に無視するのではなく、対応を迫られる」と述べた。
また、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、今後のインドでの事業展開について質問された際、今年中にネット上で製品販売を始め、来年にはアップルブランドの実店舗をオープンすると述べた。
インド国内のパートナーと提携するのではなく、アップル独自で店舗を開設するにはインド政府の承認が必要になると説明し、「アップルブランドを他者に扱ってはもらいたくない」と述べた。
株主総会ではこの他、役員報酬に関する議案などが承認された。
*内容を追加しました。