[台北 16日 ロイター] - 半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC) (TW:2330) (N:TSM)が発表した2020年第1・四半期(1─3月)決算は、純利益がほぼ倍増し、アナリスト予想を上回った。演算速度の速い半導体への需要が強く、新型コロナウイルスの感染拡大による供給網断絶の影響を相殺した。
ただ下半期については、売上高が横ばいになるとの見通しを示した。
第1・四半期の純利益は1169億8700万台湾ドル(38億9000万米ドル)で、前年同期比90.6%増となった。
リフィニティブがまとめたアナリスト19人の予想の平均は1058億3000万台湾ドルだった。
次世代通信規格5G技術や人工知能(AI)投資に向けた高性能半導体への需要が牽引し、売上高は45.2%増の103億1000万ドルとなった。予想のレンジは102億─103億ドルだった。
ウェンデル・ファン最高財務責任者(CFO)は会見で「下半期の売上高はやや横ばいか小幅に減少する可能性がある」と発言。新型コロナの感染拡大が「一時的」に需要に影響を及ぼすが、6月までには落ち着くとの見通しを示した。
同CFOは、新型コロナの流行でスマートフォンなどのエレクトロニクス製品の需要が打撃を受けるが、5Gモバイル通信技術の導入は続いており、高速半導体の需要も好調だと指摘した。
同社は第2・四半期の売上高を101億-104億ドルと予想。前年同期は77億5000万ドルだった。
今後は新型ウイルスの感染拡大を受けて世界的な需要減退が見込まれている。
米調査会社ガートナーは前週、2020年の世界半導体売上高をマイナス0.9%に下方修正した。従来見通しはプラス12.5%だった。
同社の主要顧客である米アップル (O:AAPL)も、2020年第1・四半期の業績予想を撤回し、中国での製造が回復するには予想以上の時間がかかるとしている。
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