[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリアのフライデンバーグ財務相は20日、米国のフェイスブック (O:FB)とアルファベット (O:GOOGL)傘下のグーグルに対し、広告収入を国内メディアと共有することを義務づける法律が、数カ月以内に成立するとの見通しを示した。
デジタルプラットフォームに対し、利用するコンテンツの料金支払いを義務づける最初の国の1つとなる。
国内メディアからはフェイスブック、アルファベットの両社が広告市場を寡占しているとの批判が出ているが、同相によると、自主的な行動規範の策定を巡って両社と合意できなかった。
同相はオーストラリアン紙への寄稿で「自主的な規範による解決を目指していた『コンテンツに対して対価を払う』という根本的な問題で有意義な進展がみられなかった」と表明した。
同相によると、オーストラリアのオンライン広告市場は年間90億豪ドル(57億2000万ドル)規模と、2005年から8倍以上に膨らんでいるが、オンライン広告(求人広告を除く)支出の約3割は両社の収入になっているという。
オーストラリア政府は昨年、フェイスブックやグーグルなど巨大IT企業を念頭にメディアや広告市場での寡占を防ぐ新ルールを策定すると発表していた。[nL4N28M1CU]
同相によると、政府は競争・消費者委員会(ACCC)に対し、強制的な行動規範を策定するよう要請。11月までに自主規制をまとめる計画を断念した。ACCCが7月までに強制的な行動規範の原案を策定し、その直後に法制化する計画という。
ACCCはオーストラリア放送協会に対し「(両社が)顧客に無料で提供している情報の一部は、ジャーナリズムに投資した人々が入手した情報だという点が問題だ」と表明。
フェイスブックは「政府の発表に失望している。特に、当社は合意した期日に間に合うよう懸命に努力してきた」と指摘した。
グーグルは今後も行動規範の作成に協力していく方針を示した。