[香港 26日 ロイター] - 「VPN(仮想プライベートネットワーク)」プロバイダーのアトラスVPNによると、中国政府が香港を対象にした国家安全法の制定方針を明らかにした今月21日に香港におけるVPN需要が6倍以上増えたことが分かった。インターネット上のプライバシーへの懸念を反映した形だ。
アトラスVPNによると、ウェブ上の制限を避けられるVPNのインストールは22日も拡大し、前日よりも3倍以上に増えた。キーワード「VPN」での検索件数は今月21日に前日比1680%増加したという。同社はグーグルトレンドのデータを基に、「VPN」での検索件数は22日に過去最高に達したと付け加えた。
グーグルやフェイスブック、ツイッターなどが利用できない中国本土とは異なり、香港ではインターネットアクセスに制限はかけられていない。
国家安全法の制定により香港で監視や検閲が強まるのではないかとの懸念が国際人権・プライバシー擁護団体などを中心に強まっている。
アトラスVPNのレイチェル・ウェルシュ最高執行責任者(COO)は「近い将来に香港で中国と同様のデジタル制限がかけられれば、VPNサービスへの関心がさらに高まると予想できる」と述べた。