[サンフランシスコ 2日 ロイター] - 米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は2日、従業員に対し、トランプ大統領の扇動的な投稿をそのままにした自身の判断は適切だったと主張した。前日はザッカーバーグ氏の対応に反発した一部社員が業務を拒否していた。
業務を拒否した社員らは、ミネソタ州で黒人男性が白人警官に暴行され死亡した事件を巡る抗議デモに関連し「略奪が始まれば発砲も始まる」と書き込んだトランプ氏の投稿について、フェイスブックとして強い対応を取るべきだったと主張していた。ストライキを起こした社員の大半は、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務中だった。
フェイスブックの広報担当者によると、ザッカーバーグ氏は従業員向けのビデオチャットで会社として十分な検証を行っており、トランプ氏の投稿をそのままにしたのは適切だったと説明。
また、この決定が多くの従業員の反感を買ったことも認め、このような投稿をそのままにするか削除するかの対応に加え、「二択ではない」選択肢を検討していると明らかにしたという。
1日にツイッターに批判的投稿を行っていた同社社員のブランドン・デイル氏は全社ビデオ会議中に再びツイートし、失望感を表した。「指導部がわれわれの意見を受け入れるつもりがないことが極めて明白になった」とした。ビジネスSNS(交流サイト)リンクトインによると、デイル氏の職種はエンジニア。
フェイスブックの偽情報対策チームに所属するエンジニアのティモシー・アベニ氏は今回の決定に抗議するために辞職を表明した。同氏はフェイスブックへの投稿で「マーク(ザッカーバーグ氏)はいつも暴力を扇動する発言は許容しないとわれわれに話していたが、これはうそであることが先週末に判明した。フェイスブックはトランプ氏がエスカレートするたびに何の対応もしない言い訳を見つけては基準を変更することになるだろう」と批判した。