サム・ナッセイ
[東京 16日 ロイター] - 米議決権行使助言会社グラス・ルイスはソフトバンク・グループ (T:9984)の株主に対し、ベンチャーキャピタル経営のリップブー・タン氏の社外取締役選任案に反対するよう推奨した。
グラス・ルイスは、タン氏は余りに多くの取締役を務めていると指摘。同氏は米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ (N:HPE)などの取締役のほか、半導体設計ソフトを手掛ける米ケイデンス・デザイン・システムズ (O:CDNS)の最高経営責任者(CEO)、ベンチャーキャピタルのウォルデン・インターナショナルの会長も務める。
グラス・ルイスはリポートで「これほど多くの取締役を務めるために必要とされる時間、および役員としての職務を考えると、同候補が(ソフトバンク)株主に対して責任を果たせない可能性がある」と指摘した。
タン氏とソフトバンクはコメントの要請にこれまでのところ応じていない。
ソフトバンクは6月25日に予定される株主総会で社外取締役を2人から4人に増やす人事案について承認を得たい考え。同社は投資先の新興企業などの評価引き下げで損失が膨らみ、2020年3月期に過去最大の赤字に陥った。
同社の株主総会は例年、会社側の議案が無難に可決されてきた。
グラスルイスはもう1人の社外取締役候補である早稲田大学大学院経営管理研究科教授の川本裕子氏については賛成するよう推奨し、後藤芳光・最高財務責任者(CFO)を取締役とする議案も支持。
「ビジョン・ファンド」責任者のラジーブ・ミスラ氏を含む取締役の再任議案にも支持を示した。
グラスルイスの同業、米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)はソフトバンクグループの全ての取締役選任人事案に支持を表明している。
*内容を追加します。