[8日 ロイター] - 米アップル (O:AAPL)は8日、iPhoneを修理するための部品や工具、マニュアルを独立系修理業者に提供するプログラムを、欧州の32カ国とカナダに拡大すると発表した。
アップルは昨年、米国でプログラムを開始。それまで何年もの間、独立系の業者による修理を認めなかった。
アップルは長年、米家電量販大手ベスト・バイ (N:BBY)など認定したサービス事業者に保証業務を委ねてきた。小規模な業者からは、プログラムは規定の修理量が多いため費用が高すぎて入れず、結果的に修理するための純正部品やソフトウェアツールが入手できないとの不満の声が上がっていた。
その後、独立系業者へのプログラムを2019年8月に開始。技術者がトレーニングを終えた場合、プログラムに参加するのは無料とした。
アップルは8日、米国では700カ所に拠点がある140の業者からプログラムに申し込みがあったと述べた。uBreakiFixなど複数の箇所で事業展開している事業者もいれば、個人事業主もいるという。
ウィリアムズ最高執行責任者(COO)は声明で「顧客が修理を必要としている時に、要求を満たすだけではなく、iPhoneが極力長く使えるように安全と品質を保証するための幅広い選択肢を提供したい」と述べた。
プログラムでは、独立系事業者が保証期間の切れている製品の修理を行うためにアップルの部品や工具を使える。認定を受けたサービス事業者と同じ価格で部品を入手することができるほか、これまで通り、第三者が提供するアフターマーケット部品を入手し独自の価格設定を行うこともできる。プログラムの対象はiPhoneに限定される。
独立系事業者は顧客に対し、純正部品を使っているかどうかを明確にしなければならない。回収した部品はアップルに送り、再生されるかリサイクルされる。アップルは、独立系事業者がプログラムに参加しているかどうかを確認するためのオンラインツールを開発していると述べた。