[16日 ロイター] - 米動画配信サービス大手ネットフリックス (O:NFLX)は16日、新型コロナウイルスの感染拡大で増加した契約者数の伸びが7─9月期は市場の予想以上に鈍化するとの見通しを示した。これを受けて株価は時間外取引で9.5%急落した。
ネットフリックスは7─9月の有料契約者数が世界全体で250万人増加すると予想。リフィニティブがまとめたアナリストの予想平均530万人を下回った。
インベスティグ・ドット・コムのシニアアナリスト、ハリス・アンワー氏は「投資家は見通しの弱さに失望している。新型コロナによる当初の押し上げがしぼみつつあることが示された」と述べた。
4─6月期決算は売上高が25%増の61億ドル。希薄化後の1株利益は1.59ドルで、アナリスト予想の1.81ドルを下回った。
4─6月は新型コロナ感染拡大により世界各国で自宅で過ごす人が増えたことで有料契約者数が1010万人増加し、1億9300万人近くに達した。ネットフリックスは株主への書簡で、各国の行動制限により契約者数は「今年上半期に急増」したが、「この結果、下半期は前年と比べて伸びが鈍化する」との見通しを示した。
フィッチ・レーティングスのディレクター、パトリス・クチネロ氏は、4─6月の契約者増加は予想されていたとした上で、「外出制限が解除されれば増加分の一部が巻き戻されるだろうか」と問いかけ、巣ごもり需要の持続可能性に疑問を示した。
新型コロナ感染拡大で映画やテレビ番組の製作にも影響が出ているが、ネットフリックスは2020年の番組計画は「ほぼ予定通り」とした。21年については、年後半にリリースがずれ込むコンテンツが増えるとの見通しを示した。ただ、21年のオリジナル映画・テレビ番組の数は20年を上回る見込み。
コンテンツ責任者のテッド・サランドス氏が共同最高経営責任者(CEO)に昇格する人事も発表した。共同創業者のリード・ヘイスティングスCEOの後継となる見込みだ。
サランドス氏はコンテンツ事業も引き続き統括する。ヘイスティングス氏はブログで、近く退任する予定はないとし、「この先10年もネットフリックスに携わるのを楽しみにしている」と述べた。
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