[ストックホルム 17日 ロイター] - スウェーデンの通信機器大手エリクソン (ST:ERICb)が発表した第2・四半期決算は、営業利益(調整後)が予想を上回った。第5世代(5G)通信事業やソフトウエアの収入が寄与した。同社は2020年と2022年の財務目標を据え置いた。
新型コロナウイルスの流行で経済の先行き不透明感が強まっているものの、多くの通信事業者は5G移動通信網の構築を進めており、エリクソンは99件の商業契約を締結した。
主力の通信機器部門の売上高は、中国での受注が寄与し4%増。エリクソンは、中国の3大通信会社から華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]や中興通訊(ZTE) (SZ:000063)とともに5G関連で受注している。
英政府は今週、5G網の構築からファーウェイを排除することを決定。これもエリクソンやフィンランドのノキア (HE:NOKIA)に有利に働くとみられる。
CCSインサイトのアナリスト、ベン・ウッド氏は、英政府の決定について「エリクソンにとってとてつもない好機。(ファーウェイ排除が)他の市場にも広がればなおさらだ」と述べた。
エリクソンのエクホルム最高経営責任者(CEO)は「一部の顧客は投資を急いでおり、他の顧客は一時的に慎重になっている」とし「現時点では2020年と2022年のグループ目標を維持する」と述べた。
2020年の業績目標(連結ベース)は売上高が2300億─2400億スウェーデンクローナ(253億─264億ドル)、調整後営業利益率が10%以上、22年の目標は調整後営業利益率が12─14%。21年の目標は設定していない。
第2・四半期の営業利益(調整後)は18%増の45億クローナ(4億9585万ドル)と、前年同期の39億クローナから増加。リフィニティブがまとめた市場予想平均の33億6000万クローナを上回った。
売上高は1%増の556億クローナ。
粗利益率は38.2%で、前年同期の36.7%から上昇した。
クラウドベースのサービスを含むデジタルサービス部門は、新型コロナで売り上げが打撃を受けたが、利益率の高いソフトウエアの販売は伸びた。
*内容を追加して再送します。