[ワシントン 28日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)とフェイスブック (O:FB)の最高経営責任者(CEO)は、IT(情報技術)業界の競争問題を巡る29日の米議会公聴会で、大手企業との激しい競争に直面していると主張する構えだ。
公聴会は、米IT大手の事業慣行やデータ収集が小規模なライバル企業に与えている影響について調査する下院司法委員会の反トラスト小委員会が開催。グーグルの持ち株会社アルファベット (O:GOOGL)とアップル
証言内容について28日に公表された書面で、アマゾンのベゾスCEOは、同社が小売り市場全体に占めるシェアは小さく、規模がアマゾンの2倍であるウォルマート (N:WMT)などの小売り大手との競争にさらされていると主張。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で電子商取引事業は全般的に拡大しており、アマゾンに限ったことではないと指摘した。
ベゾス氏はまた、小規模な販売業者がアマゾンのマーケットプレイスでいかに成功しているかを説明した。
フェイスブックのザッカーバーグCEOは書面の中で、同社が「何もないところから始め、人々が価値を見いだす商品を提供するという米国方式で」成功に至ったと証言。
「当社はこの公聴会に参加する企業のほかにも、広告を販売し人々をつなぐ多くの企業と競争している。当社が参入していない市場へのアクセスを持つ企業などとの国際的な競争にも直面している」と述べた。
また、フェイスブックの買収活動の正当性を訴え、同社による買収はワッツアップやインスタグラムの成長に寄与したとの見解を示した。
米IT企業が中国企業との競争の脅威にさらされているとも指摘し、中国は「非常に異なるアイデアに基づき独自のインターネット」を構築し、他国に輸出していると述べた。
規制の必要性についても改めて訴えた。同氏は、ソーシャルメディア上の有害なコンテンツや選挙を巡る信頼性、個人情報の問題など同社が批判されてきた分野で規制強化を求めている。