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米IT大手公聴会、競争問題巡り応酬 FBやグーグルに厳しい質問

発行済 2020-07-30 08:40
更新済 2020-07-30 09:03
© Reuters.
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[ワシントン 29日 ロイター] - IT(情報技術)業界の競争問題を調査する米下院司法委員会の反トラスト小委員会による公聴会が29日に開かれ、アルファベット (O:GOOGL)傘下のグーグルやフェイスブック(FB) (O:FB)など大手4社の最高経営責任者(CEO)が与野党双方から厳しい質問を浴びた。

公聴会にはフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO、グーグルのスンダー・ピチャイCEOのほか、アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)のジェフ・ベゾスCEO、アップルのティム・クックCEOがビデオ会議システムを通じて出席した。4社の時価総額は合わせて5兆ドル前後に上る。

アマゾンのベゾス氏にとって、議会での証言は今回が初めて。4社のCEOが一斉に公聴会に出席するのも初となった。

ベゾス氏は議員の質問に最も冷静に対応した。クック氏はベゾス氏ほど厳しい質問は浴びず、うまく回答した。一方、ザッカーバーグ氏は返答に窮する場面もあった。ピチャイ氏は保守系議員から特に厳しい質問を浴び、確認のうえ後日返答するとの説明を繰り返した。

反トラスト小委員会のシシリン委員長(民主党)はピチャイ氏への質疑で、グーグルが評価サイト「イエルプ」 (N:YELP)から評価レビューを盗み、反発すれば検索結果からイエルプを除外すると脅迫したと主張。「グーグルはなぜ、誠実なビジネスからコンテンツを盗むのか」と非難した。

ピチャイ氏は「当社の事業慣行は最高水準だ」とし、グーグルが自社サービス上にユーザーを維持するために他社からコンテンツを盗んでいるという指摘に反論した。

ザッカーバーグ氏に対しては、フェイスブックによる2012年のインスタグラム買収を巡り、インスタが脅威だったから買収したのか、といった質問が出た。

これに対しザッカーバーグ氏は、インスタ買収については米連邦取引委員会(FTC)が審査を行ったほか、当時のインスタは極めて小規模な写真共有アプリにすぎなかったと指摘。「インスタは当社の競合とみられていなかった」と反論した。

民主党のジャヤパル議員はベゾス氏に、アマゾンが販売に関する意思決定を行う際に外部販売業者のデータを利用しているかと迫った。アマゾン幹部は過去の宣誓証言でこれを否定しているが、その後メディアでは同社の主張と矛盾する報道が流れている。

ベゾス氏は、アマゾンにはそうした行為を禁止するポリシーがあるとし、「違反する者があれば対処する」と慎重に答えた。

クック氏は、アップルがアプリ配信サービス「アップストア」の手数料をいくらでも高く設定できるとの指摘に対し「全くそうは思わない」と反論した。「開発者はアンドロイドやウィンドウズ、Xbox、プレイステーション向けにアプリを開発することが可能で、当社は開発者と顧客の両面で激しい競争にさらされている」とし、「スマートフォン業界のシェア獲得競争はストリート・ファイトと言えるほどだ」と主張した。

同氏はまた、スマホ業界の熾烈な競争には中国の華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]も含まれると指摘した。

フェイスブックのザッカーバーグ氏も証言の冒頭、中国は「非常に異なるアイデアに基づき独自のインターネット」を構築し、他国に輸出していると述べた。

共和党のジョーダン議員は、IT大手のさまざまな措置を列挙し、保守派の声が支持者に届かないようにしていると主張。「IT大手は保守派を打ち負かそうとしている」などと述べた。各社はこれまでに、政治的な検閲を行っているとの指摘を否定している。

下院司法委の幹部側近によると、委員会は今年夏の終わりか秋の早い時期にも、反トラスト法(独占禁止法)に基づく4社の調査結果や各社の市場支配力を抑制するための提言をまとめ、報告書を公表する可能性がある。

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