[29日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)がサイト内で「iPhone」など米アップル (O:AAPL)製品の取り扱いを始めるとした2018年の合意に絡み、アップルがアマゾンに関する検索結果から競合他社の広告を削除する案が示されていたことが、下院で29日に公表された資料で明らかになった。
巨大IT企業の2社が、その規模を利用して互いに有利な待遇を与える方向で検討していたことになる。資料はIT業界の独占禁止法(反トラスト法)問題を調査する下院司法委員会の反トラスト小委員会が公表。資料に日付はないが、2017年終盤に発売されたアップル製品が載っている。
アマゾンは18年の合意前は自社通販サイトでアップル製品のごく一部しか取り扱ってなかった。中古品は数多く販売され、時には模造品も売られていた。
18年の合意では、アップルと同社認定の販売代理店の一部が複数の国のアマゾンのサイトでiPhoneなどを販売することが認められた。その見返りに、アマゾンはアップルの許可を得ていない事業者が取り扱うアップル製品を自社サイトから排除した。
反トラスト小委はこの合意に関連する資料として、合意の原則や条件案が載っているとみられる資料のスライドを公表。アマゾンがアップル製品についてカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を差別化するために、検索結果や商品詳細および閲覧履歴のページから競合社の広告を削除することなどが提案された。アマゾン製品についても同様の待遇が提案された。
提案が最終合意に盛り込まれたかどうかは不明。
アマゾンとアップルからコメントは得られていない。