[シンガポール 17日 ロイター] - 米政府の締め付けを受けている北京字節跳動科技(バイトダンス)の下位ライバル、BIGOテクノロジーはサーバーを香港からシンガポールに移設する。香港の国家安全維持法の影響を回避するのが狙い。
米政府は、安全保障上の懸念から、バイトダンスに、傘下の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を90日以内に売却するよう命令。インドも、国境問題で中国と対立する中、ティックトックなど中国のアプリの使用を禁止。BIGOのアプリもインド政府の禁止リストに入った。
BIGOはティックトック的な「Likee」やライブ配信アプリ「Bigo Live」を提供。今のところ、米当局から名指しされていないが、同社の幹部はロイターに「集中攻撃を巻き込まれないこと」を願うと語った。
政府対応担当バイスプレジデント、マイク・オング氏はインタビューで「不幸なのは、時に他の人の考え方をコントロールできないことだ」と述べた。
BIGOは2014年創設で「Before I Get Old」の頭文字から名付けられた。昨年、米上場の中国企業JOYY (O:YY)に評価額21億ドルで買収された。JOYYの最高経営責任者(CEO)で中国人のデビッド・リー氏はJOYYとBIGOの共同創設者で会長を務める。
オング氏はBIGOがJOYYから「完全に独立して」運営していると説明。中国ではサービスを提供しておらず、経営陣、資源、データセンターを含むインフラは独自のものだと述べた。
香港国家安全維持法が施行され、中国政府からユーザー情報の提出を要求されるとことも想定され、グローバルハイテク企業の間ではサーバーを香港以外に移す動きがでている。
オング氏は香港の状況を鑑み「安全のために(サーバーを)シンガポールに移すことを決めた」と述べた。