[21日 ロイター] - 人気ゲーム「フォートナイト」のアプリ削除を巡る訴訟で、米アップル (O:AAPL)は21日付の裁判資料で、ゲーム開発元の米エピック・ゲームズの最高経営責任者(CEO)が、アプリ販売「アップストア」内にエピックの独自ゲームストア開設を例外的に認める補足文書を要求していたと主張した。
手数料に基づくビジネスモデルに反するもので、アップルは要求を拒否。その後、エピックのティム・スウィーニーCEOはアップストアの運営手法に関して批判を展開したという。
アップルは今月、エピックがフォートナイトに導入した独自課金システムがアップストアの規約に違反したとして、フォートナイトを削除。エピックは削除の差し止めを求めて提訴し、アップルは21日付の資料で、カリフォルニア州の連邦地裁に差し止めを認めないよう求めた。アップストアの規約では、15─30%の手数料を徴収するアプリ課金システムに従うよう求められている。
エピックにコメントを求めたが、回答はない。
同社はアップストアの規約が反トラスト法(独占禁止法)に違反していると主張。また、ソーシャルメディアでハッシュタグ「#FreeFortnite」を使ってアップストアに抗議するよう呼び掛けている。
一方、アップルは提出資料で、エピックのスウィーニーCEOが例外的扱いを求めていたと主張し、契約に関するの意見の相違があったとの主張を展開。
資料によると、スウィーニーCEOはアップストアの責任者、フィル・シラー氏に真夜中の2時に送った電子メールで課金に関する規約にはもう従わないと宣言。その数時間後に独自の課金システムを導入したという。
アップルはフォートナイトを削除するとともに、エピックの開発者アカウントを停止し、開発ツールの提供を中断すると予告。エピックは、これらの措置が同社に回復不能な損害を与えるとしている。
これに対しアップルは、フォートナイトの削除はエピックが「自ら招いたけが」だとし、連邦地裁の判事に対し、エピックの差し止め要求を認めるべきではないと訴えた。