[31日 ロイター] - ビデオ会議サービスの米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ (O:ZM)が31日発表した第2・四半期決算は、売上高と利益がともに市場予想を大幅に上回った。無料のユーザー基盤から有料のサブスクリプションサービスへのシフトを進めていることが背景。
同社は、年間の売上高見通しを30%超引き上げた。
今年に入り4倍近くに膨らんでいる株価は、引け後の時間外取引で5%上昇した。通常取引では325.10ドルと終値ベースで過去最高値を付けていた。
売上高は355%増の6億6350万ドル。リフィニティブのIBESデータによると、アナリストの予想平均は5億0050万ドルだった。
普通株主帰属の純利益は1億8570万ドル(1株当たり0.63ドル)と、前年同期の550万ドル(同0.02ドル)から増加した。
特別項目を除いた1株利益は0.92ドル。アナリストの予想平均は0.45ドル。
通年の売上高見通しは、23億7000万─23億9000万ドル。従来の見通しは17億8000万─18億ドルだった。
主に対面での会議の技術的な代替として使われていたビデオ会議プラットフォームは、今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に仕事や学校、人との交流など日常生活の重要なツールとなっている。
ズームの法人顧客(従業員が10人超)は37万0200社と、前年同期比約458%増加した。
ケリー・ステッケルバーグ最高財務責任者(CFO)は投資家向け電話会議で、粗利益率は、今年度末まで第2・四半期の72.3%とほぼ同水準で推移するとの見通しを示した。
また、キャンセル率が過去平均を若干上回っているとしたが、キャンセル率の上昇は見通しに反映されていると説明した。
エラザール・アドバイザーズのアナリスト、カイム・シーゲル氏は「売上高の伸びが加速している」とし、「ズームは非常に堅調な来四半期見通しを示しているが、それでも外出自粛や学校再開の状況を踏まえると、控えめな見通しとなっているかもしれない」と指摘した。
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