[東京 9日 ロイター] - 安川電機 (T:6506)は9日、2021年2月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年比7.9%減の222億円になりそうだと発表した。需要動向は下期から緩やかに回復に向かうと想定している。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均は217億円。
ACサーボ・コントローラー事業で半導体・電子部品市場の底堅い動きや、ロボット事業での自動車市場の緩やかな回復など、一部で明るい兆しがみられるとした。
会見した小笠原浩社長は、中国ではエネルギーや電気自動車(EV)・半導体関連で「積極的な動き」が見られると指摘。中国からの輸出は、「輸出先が動いていないので伸びが止まっている」としたが、「内需は拡大している」と述べた。
一方で、新型コロナウイルスの再拡大で移動制限が続く恐れがあることや、米中摩擦などで経済活動の本格回復には時間を要するとみている。
米政府による中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に対する規制強化の影響については、半導体製造装置メーカー向けのサーボがその少し前から「若干落ちた」とした。影響が続くかどうかは「様子を見ないとわからない」とするにとどめた。
通期の売上高予想は前年比10.7%減の3668億円、純利益予想は同0.4%減の155億円とした。未定としていた期末配当予想は1株当たり12円(前年同期は26円)とし、年間配当予想は同24円(同52円)とした。下期の想定為替レートは1ドル104円、1ユーロ123円、1元15.40円。
20年3―8月期の営業利益は前年同期比8.3%減の132億円だった。コロナの影響で世界的に設備投資が手控えられ、「厳しい状況となった」(小笠原社長)。中国の売り上げが伸長したが、顧客の工場の操業低下の影響で設置作業が滞ったロボットを中心に落ち込んだ。中国では生産活動の正常化がいち早く進み、インフラ関連中心の投資の積極化や自動車市場に回復の兆しが見られたとしている。
*内容を追加しました。