[13日 ロイター] - 米アップル (O:AAPL)は13日、次世代通信規格「5G」に対応した「iPhone12」4機種を発表した。買い替え需要を掘り起こし、年末に向けて好調な販売を継続したい考えだ。
標準機種のディスプレーは6.1インチ。側面がiPhone5のようにフラットとなり、丸みを帯びていたここ数年の形状から脱却した。価格は799ドルから。
ディスプレーが5.4インチの「ミニ」バージョンのほか、3台のカメラや「ライダー」と呼ばれる新たな3Dセンサーを搭載した「プロ」と「プロマックス」も発表した。プロマックスのディスプレーは歴代iPhoneの中で最大の6.7インチ。価格はミニが699ドルから、プロが999ドルから、プロマックスは1099ドルから。
標準機種とプロの予約注文は米英や中国などで16日から開始され、23日に発売される。ミニとプロマックスは11月6日から予約を受け付け、同13日に発売する。
アップルは今回発表した新機種で、5Gに対する消費者の期待の波に乗れるかどうかが試されることになる。
同社によると、米国では4機種全てが最速の「ミリ波帯」にも対応する。アンドロイド端末の一部は、より低い周波数帯域にしか対応していない。
一方、米国外ではミリ波帯に対応していない。通信各社がミリ波帯技術の様々なバージョンの導入を予定しているオーストラリアや韓国などでも、ミリ波帯に対応しない。そうした国では、アンドロイドの一部の低価格端末同様、より低い周波数帯域にしか対応しないという。
ただ、iPhone新機種のユーザーが通信速度の大幅な改善を体験できるかどうかは、通信会社に大きく左右される。テックアナリシス・リサーチの責任者、ボブ・オドネル氏は、一部のユーザーは通信会社がネットワークを構築するまで速度改善が小幅にとどまり、落胆する可能性があると指摘。「アップルは、その点を十分に説明しなかったように思う」と述べた。
アップルは、スマートスピーカー「ホームポッド・ミニ」も披露した。白とグレーの2色展開で、価格は99ドル。11月16日から発売される。
ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は、「新型コロナウイルス感染がインフルエンザの季節に重なることや、気温低下で屋内にとどまることを余儀なくされることを受け、今年のクリスマス期はiPhone販売が難しくなるとみている。アップルは店頭での体験で知られる企業だ」と述べた。
アップルの株価はイベント中に3%超下落。時価総額で770億ドルが消失した。終値は2.7%安となった。
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