[上海 14日 ロイター] - 米アップル (O:AAPL)が13日発表した次世代通信規格「5G」対応の「iPhone12」について、中国の消費者の間では評価が分かれた。
アップルの新型スマートフォン発表はソーシャルメディア上で大きな話題となっており、中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」では「iPhone12」がハッシュタグランキングのトップとなった。
財経誌が実施したアンケート調査によると、iPhone12を購入するという答えが9269人に対し、 しないとの回答が約1万と真っ二つに分かれた。5400人が検討中としている。
中国での注文受付は16日からで、価格は5499元(815.37ドル)─1万1899元となっている。価格も話題となっており、高過ぎるとの不満も多く聞かれる。
ウェイボユーザーの間では、今月予定されている華為技術(ファーウェイ)の「Mate40プロ」の発表を待った上でiPhone12を注文するか決めるとの意見が目立った。
アナリストは5G対応モデルの発売まで買い替えを控えていた多くの根強いファンがいるもようとして、中国でのiPhone12の販売に強気の見方を示している。
調査会社カナリスでスマホ業界を担当するニコール・ペン氏は「現在の中国では5G対応は特別な機能ではなく、必須機能だ」と指摘し、来年第1・四半期にかけてアップルユーザーの間で新たな買い替えの波が起きると予想した。
高級モデルでアップルと競うファーウェイが米国の制裁で打撃を受けるとみられることもアップルの追い風となりそうだ。
カウンターポイント・リサーチのニール・シャー氏は米国の制裁によりファーウェイは大規模なスマホ生産が難しくなるとし、アップルはこれにより生じる市場の空白から「著しい」恩恵を受けるとの見方を示した。
その一方で、中国当局は「エンティティーリスト」を公表する予定で、アップルなどの大手ハイテク企業が含まれるとの観測が浮上している。中国企業はリストに掲載された外国企業との取引が禁じられる。
これまでのところ中国でアップルに対する消費者の印象は悪化しておらず、カナリスによると、2020年第2・四半期のiPhone出荷台数は前年比35%増加した。トップブランドで増加を記録したのはアップルとファーウェイだけという。
(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)