[ストックホルム 21日 ロイター] - スウェーデンの通信機器大手エリクソン (ST:ERICb)が21日発表した第3・四半期決算は、コア利益が予想を上回った。利益率上昇と中国の第5世代(5G)通信開始が奏功した。通年の業績目標達成にも自信を示した。
決算発表を受けて、株価は一時9%上昇した。
粗利益率は前年同期の37.8%から43.2%に上昇し、2006年以来の高水準になった。
リベラムのアナリストによると、利益は主にネットワーク部門で稼ぎ、調整後の営業利益率は22.7%と、予想の17.8%を大幅に上回った。
調整後の営業利益は90億スウェーデンクローナ(10億ドル)で、前年同期の65億クローナから増加。リフィニティブのアナリスト平均予想の69億8000万クローナを上回った。
総売上高は1%増の575億クローナ。
1─9月の調整後営業利益率は11.1%。同社は2020年の目標を10%以上、22年目標を12─14%としている。
新型コロナウイルス流行による混乱にもかかわらず、エリクソンは主力のネットワーク事業で売り上げを拡大。米政府の圧力を受けて中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]を排除する国が増える中、エリクソンの5G事業契約は前四半期の99件から112件に増加した。
ただ、スウェーデン郵便電気通信庁(PTS)は20日、5G通信網にファーウェイと中興通訊(ZTE) (SZ:000063)製品の使用を禁じると発表。これを受け、中国との関係が悪化する恐れがある。
エリクソンは中国の大手通信3社に5Gネットワーク通信機器を供給している。