[ニューデリー/ムンバイ 25日 ロイター] - インドの小売り大手フューチャー・グループ (NS:FURE)によるリライアンス・インダストリーズ (NS:RELI)への33億8000万ドル規模の資産売却を巡り、米アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)が契約違反だとして仲裁手続きを求めていた問題で、シンガポールの仲裁パネルは資産売却の仮差し止め命令を下した。
関係筋によると、アマゾンは仲裁裁判所での審理が開始されるまでの間、資産売却手続きの差し止めを命じる通知を受け取った。
アマゾンは昨年、フューチャー・リテールの株式7.3%を保有するフューチャー・クーポンズの株式49%を取得した。リライアンスは今年8月、フューチャー・グループの小売りなどの事業を買収することを決めた。
しかし、アマゾンの出資に伴う契約上の権利には、先買権や競業避止条項のような取り決めが含まれているとメディアは報じており、アマゾンはその後、シンガポールで仲裁手続きを開始した。
ある関係筋は「アマゾンにとって包括的な勝利だ。取引を阻止する差し止め命令を勝ち取った」と語った。
ただ2人の関係筋によると、この仮差し止め命令はインドで自動的に効力が発生するものではなく、インドの裁判所が承認する必要があるという。
アマゾンは発表文書で「われわれが求めていた救済措置全てを認める差し止め命令が出たことをうれしく思う。仲裁手続きで迅速な結果を得ることに引き続きコミットしている」とした。
リライアンス・インダストリーズ傘下のリライアンス・リテール・ベンチャーズ(RRVL)は発表文書で、フューチャー・グループとの合意条件に基づき、滞りなく取引を完了させる意向を表明。
「RRVLは適切な法的助言の下でフューチャー・リテールの資産や事業を取得する取引を結んだ。権利及び義務はインドの法律の下で完全に効力がある」とした。
フューチャー・グループからのコメントは得られていない。