[28日 ロイター] - カナダの裁判所で28日、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長の米国への身柄引き渡し審理の弁護側による反対尋問が行われた。2018年の同氏の逮捕について、代理人を立てるなどの法的権利を抑制するため、カナダの警察が故意に逮捕に至るまでの手続きを長引かせたかどうかが争点となった。
弁護側は同日まで2日間にわたり、連邦警察である王立カナダ騎馬警察(RCMP)の巡査に対し、国境サービス庁(CBSA)が最初に孟氏を拘束し、その後にRCMPが逮捕するという手続きを踏んだ理由を追及した。
カナダへの入国者に対する取り調べでCBSA職員が持つ広範な権限をうまく利用する狙いがあったとし、孟氏の逮捕を先延ばしすることで、カナダにいる市民と非市民の両方に認められている基本的権利の行使も先延ばししたと訴えた。
RCMPの巡査は「故意ではなかった」と反論し、CBSAの職員による拘束からRCMPの警官による逮捕まで3時間空いたのが「不当」だとは思わないと述べた。
裁判所の資料によると、孟氏は法的な代理人を立てられないまま3時間近くCBSAの取り調べを受けた。弁護側はこれは個人の権利の侵害に当たるとしている。
孟副会長は2018年12月、バンクーバーの空港で米国の要請を受けたカナダ当局に逮捕された。米当局はイランとの取り引きについてHSBC (L:HSBA)に虚偽の説明をし、HSBCが米制裁に違反する結果を招いたとして、銀行詐欺などの罪で孟氏を起訴している。
孟氏は容疑を否認しており、バンクーバーで事実上の軟禁生活を送りながら、法廷での争いを続けている。