[ブリュッセル 28日 ロイター] - 米グーグル (O:GOOGL)は、欧州連合(EU)のIT分野での厳しい新規制に対抗する60日間の戦略を開始した。米政府などと協力して、EUの担当高官に反対の意思を示すほか、新規制がコスト高につながることを説明する。ロイターがこのほど入手した、同社の10月付の内部文書で判明した。
EU欧州委員会は12月2日に「デジタルサービス法(DSA)」案を公表する。立法にはEU諸国や欧州議会からの提案との調整が必要になる。
DSA案をめぐっては、ビジネスモデルへの影響を懸念する米IT大手に加え、一部の欧州同業が激しいロビー活動を繰り広げている。
グーグルの内部文書は、戦略の目的を「当社のビジネスモデルや、われわれが自社製品を改善したり、新機能・新サービスを提供したりする能力への不当な制約を、欧州委の提案から取り除く」と説明している。
グーグルは同文書への問い合わせに対し、人々や企業がIT企業に求めることが減っているというよりむしろ増えていることを新規制は考慮すべきだと指摘。グローバル政府・公共政策担当副社長、キャラン・バーティア氏は「グローバルなIT企業が、高まりつつある欧州の利用者や企業のニーズに応えることを妨げる、報道されているような提案について懸念している」と語った。
内部文書では、DSAを統括するブルトン欧州委員(域内市場担当)への反対意思表明を強化する案が示された。米国の政府や大使館に協力を依頼し、新規制が欧米関係を脅かすとのメッセージを発信する。戦略では、新規制が消費者や企業のコスト高につながることも訴える。 さらに、EU諸国に加え、アレグロ、トリバゴ、ブッキングドットコム、ザランド、レーベといった欧州のオンラインサービス企業を協力先に加える案も示されている。