[オークランド(米カリフォルニア州)/ベンガルール 29日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベット (O:GOOGL)が29日発表した第3・四半期決算は、売上高がプラスに転換し、アナリスト予想を上回った。新型コロナウイルス流行で打撃を受けた企業が、広告を再開したことを受けた。
株価は引け後の取引で同日終値より8.5%上昇した。
売上高は前年比15%増の462億ドル。リフィニティブによるアナリスト予想は5.9%増の429億ドルだった。グーグルの広告収入が売上高の80%を占めた。
利益は112億ドル(1株当たり16.40ドル)。アナリスト予想平均は76億9800万ドル(同11.18ドル)。
新型コロナの影響で第2・四半期にはネット広告事業が一時的に落ち込んだが、経済再開に伴い企業広告が増加し、持ち直した。米大統領選を前に政治関連広告も増えたという。
ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は、ほぼ全ての地域で広告収入が伸びたと指摘。米広告収入の伸びは第2・四半期に1%だったが、第3・四半期には15%に加速したと明らかにした。
同氏は「第3・四半期の業績に満足しているが、国外環境を巡り明らかに先行き不透明感がある」と説明。欧州各国などがロックダウン(都市封鎖)など厳しい行動制限を再び導入する中、今後もこのトレンドが続くかは見通せないとした。
フェイスブック (O:FB)も29日、ネット広告収入の好調が今後も続くかは不透明だとの見方を示している。
クラウド事業は第2・四半期からほぼ横ばいで、アプリ、ハードウエア、コンテンツサブスクリプションの売上高も横ばいだった。
第4・四半期からクラウド事業を別部門とし、グーグル部門の決算から切り離す計画。ポラット氏は、新型コロナの感染が再び広がり、広告需要が落ち込む可能性はあるが、今後もクラウド事業への投資を続けると述べ、「クラウド事業のチャンスや競合他社に対する遅れを踏まえ、積極的に投資している」と説明した。
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