[29日 ロイター] - 米IT大手が29日発表した7-9月期決算は、まちまちの内容となった。時間外取引ではグーグルの持ち株会社アルファベット (O:GOOGL)が上昇、アップル (O:AAPL)が下落、ツイッター (N:TWTR)は急落している。
フェイスブック (O:FB)、アルファベット、アマゾンの決算は総じて好調。新型コロナウイルスの流行でオンライン取引や動画のストリーミングサービスなどの需要が拡大し、中小のライバルを上回る業績を残した。
アルファベットとフェイスブックでは、広告収入が急増。ただ、今後については一定の警戒感を示した。保守的な見通しを示すことが多いフェイスブックは、新型コロナを巡る不透明感で来年は厳しい状況に直面する可能性があるとの見方を示した。
フェイスブックは、時間外取引で1%下落。アルファベットは7%値上がりしている。
ハーグリーブス・ランズダウンの株式アナリスト、ニコラス・ハイエット氏は「グーグルが信じがたいほど好調なことが明らかになった」と指摘。「広告主のコスト意識は高まっており、マーケティング主導の事業を展開する他の企業は苦戦を強いられているが、キャッシュの一部はグーグルに流入しているようだ」と述べた。
アップルは、時間外取引で5%以上下落。売上高と利益は市場予想を上回ったが、「iPhone」の売上高が市場予想を下回り、株式時価総額1000億ドルが吹き飛んだ。
リフィニティブのIBESのデータによると、アナリストはS&P総合500種指数採用企業の今四半期の決算を13%の減益と予想しているが、アップル、マイクロソフトなどのハイテク企業については4.5%の増益を予想している。
ツイッターは、時間外取引で17%急落。新規のユーザー数が市場予想を下回った。
アマゾンは、過去最高益を計上。年末商戦の売上高が伸びると予想したが、時間外取引では株価が2%近く下落している。新型コロナ対策関連のコストが増えると予想したことが嫌気された。
S&P総合500種指数は年初から2%値上がりしているが、ビスポーク・インベストメント・グループのリポートによると、FAANG(フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス (O:NFLX)、アルファベット)を除けば、今年は約4%の下落となる見通し。
ビスポークは「こうした銘柄のウエートは非常に高く、株価もアウトパフォームしており、市場の上昇はかつてないほど、こうした企業に依存するようになっている」と述べた。