[ソウル 9日 ロイター] - 韓国のサムスン電子 (KS:005930)が新型の旗艦スマートフォン「ギャラクシーS21」を市場予想よりも約1カ月早い1月下旬に発売する可能性があることが、事情に詳しい3人の関係筋の話で明らかになった。
中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]からシェアを奪うとともに米アップル (O:AAPL)をけん制する狙いがあるという。
ファーウェイは今年第2・四半期にサムスンからスマホ首位の座を奪ったが、米政府による輸出規制で半導体の調達に支障が出ており、第3・四半期にはサムスンがトップに返り咲いた。韓国の半導体業界幹部らは米大統領選に勝利したバイデン氏が輸出規制の緩和に動くと期待しているが、米政府の中国への強硬姿勢は維持されるとの見方もある。
関係筋によると、サムスンはギャラクシーS21を早ければ来年の1月下旬に発売するため準備を進めている。同社は先行機種の「S20」を今年3月上旬に発売していた。
同社はコメントを控えた。
調査会社のカナリスによると、次世代通信規格「5G」対応のギャラクシーS20の第2・四半期の米国での出荷台数は、前年同期の先行機種の実績比で59%減となった。一方、アップルの「iPhone11」の出荷台数は、昨年の主力モデル「iPhoneXR」を15%上回った。
スマホ向け半導体の主要供給業者の関係者は、ファーウェイの半導体の在庫は来年の早い段階で尽きる見通しだと述べた。
ただ、サムスンは中国の小米(シャオミ)やオッポとの競争が激化しているほか、アップルは10月に5G対応の新モデル「iPhone12」を通常よりも約1カ月遅れて発売した。