[東京 2日 ロイター] - NTTの澤田純社長は2日、NTTドコモ株式の公開買い付け(TOB)の資金として金融機関から借り入れたブリッジローンの一部借り換えなどに充てるため、国内外での社債発行が2兆円程度になるとの見通しを述べた。ロイターのインタビューで語った。
NTTはこれまで、国内で12月中に5000億円起債すると投資家に説明していたが、澤田社長はこれが7000億円に膨らむとの見通しを明らかにした。海外での起債も検討していると明かし、詳細は決まっていないものの、規模については「一般的には(国内向けと)同じぐらいだろう」との認識を示した。
NTTの有利子負債は19年度の4.7兆円がドコモ株のTOBを通じて9兆円に膨らんだ。これをリース事業の分社化や債券の流動化、負債の返済で6兆円程度に抑え、格付けのシングルAを確保したい考え。
ブリッジローンの長期負債への切り替えを進めるが「(返済に)何年かけるかによっては(株主還元などで)出入りがあるため、もう少し、長期を借りておきたい。2兆円は借りていた方がいいのではないか」と述べた。ただ、手元にも資金はあるとの認識で、追加の起債のタイミングは「もうちょっと先」とした。
NTTはドコモの完全子会社化に向けたTOBを9月から開始し、11月に成立。ドコモは12月25日付で上場廃止になる。
(平田紀之、山崎牧子 編集:青山敦子) 2020-12-02T090109Z_1_LYNXMPEGB10IW_RTROPTP_1_NTT-STRATEGY.JPG