[東京 8日 ロイター] - NTTが国内外で計画している2兆円規模の社債発行について、海外向けは年度内に1兆円規模の米ドル債を起債する方向で調整していることが分かった。関係筋が8日、明らかにした。NTTドコモ株式の公開買い付け(TOB)の資金として金融機関から借り入れたブリッジローンの一部借り換えに充てる。
年内に発行する予定の国内向けは、当初の5000億円から7000億円に増額していたが、投資家からの需要が強いことを踏まえ、さらに1兆円へと増額する。金融情報・分析会社リフィニティブのデータによると、国内企業による一度の社債発行額として過去最大規模。
国内外での発行額は、合わせて2兆円規模となる見込み。NTTの澤田純社長は、国内外での社債発行が総額2兆円程度になるとの見通しを2日のロイターのインタビューで語っていた。
NTTの有利子負債は19年度の4.7兆円がドコモ株のTOBを通じて9兆円に膨らんだ。これをリース事業の分社化や債券の流動化、負債の返済で6兆円程度に抑え、格付けのシングルAを確保したい考え。
(平田紀之、山崎牧子 編集:久保信博)