[ソウル 11日 ロイター] - 韓国現代自動車グループの鄭義宣会長や、現代自動車などのグループ会社が、ソフトバンクグループからロボットメーカー、ボストン・ダイナミクス株式80%を8000億─9000億ウォン(7億3600万─8億2800万ドル)で取得することで合意した。関係筋が11日、ロイターに明らかにした。
鄭会長が20%を、60%は現代自動車とその系列会社、現代モービス、現代グロービスで保有するという。
現代自動車とソフトバンクはいずれもコメントを差し控えた。
アナリストによると、現代はロボット技術を活用して自動車工場の自動化を進めることが可能になるほか、自動運転車、ドローン、配送ロボットなどの設計も可能になる。
新たに就任した鄭会長は、自動車生産への依存度を下げる方針を表明しており、将来の事業の20%がロボット事業になるとの見通しを示している。自動車生産事業は2030年までに全体の50%、都市航空交通事業は30%となる見通し。
HI投資証券のアナリストは「今回の買収は、現代が配送ロボット、無人の自動車・飛行機などを組み合わせたシームレスな商品配送を実現する助けとなるだろう」と指摘。
「ただ、ボストン・ダイナミクスの商業化で成功を収め、ユニツリー・ロボティクスなど中国勢の安価な商品と競争できる体制を整える必要がある」と述べた。
ボストン・ダイナミクスが開発した4脚歩行ロボット「スポット」は階段を上ることができ、メディアの注目を集めているが、商業化では苦戦を強いられている。
ボストン・ダイナミクスは、マサチューセッツ工科大学(MIT)から分離・独立した企業で、1992年の創業。2013年にグーグルに買収された後、2017年にソフトバンクグループに売却された。顧客にはフォード・モーターなどが含まれる。
ソフトバンクグループは、ロボット分野に参入し、ヒト型ロボット「ペッパー」を開発したが、同社の孫正義会長は事業運営から投資に軸足を移している。
*内容を追加しました。