[パリ 10日 ロイター] - フランスのデータ保護機関「情報処理・自由全国委員会」(CNIL)は10日、サイトの閲覧履歴データ「クッキー」の利用に関する規則に違反したとして、米グーグルに1億ユーロ(1億2100万ドル)の制裁金を科したと発表した。
CNILの報道官によると、CNILが科した制裁金としては過去最高となる。これまでの最高はデータ保護に関するEU規則の違反を巡る5000万ユーロの制裁で、これもグーグルに対してだった。
米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムにも3500万ユーロの制裁金を科した。
CNILは声明で、グーグルとアマゾンのサイトは事前同意なしに閲覧者のコンピューターに広告用のクッキーを保存していたと指摘した。
また両社がクッキーをどのように活用するかや、ユーザーがクッキーの使用をどうすれば拒否できるかについて、明確な情報を提供していなかったと説明した。
両社は欧州の本部がそれぞれアイルランド、ルクセンブルクにあることからCNILに制裁を科す権利はないと主張したが、当局はこれを退けた。
CNILはグーグルの制裁金について、米グーグルが6000万ユーロ、EU拠点のグーグル・アイルランドが4000万ユーロを支払う必要があるとしている。
アマゾンの制裁金はルクセンブルクを拠点とする同社の事業体が支払うことになる。
CNILはさらに、両社が3カ月以内に修正しなければ、対応が取られるまで1日当たり10万ユーロの制裁金を追加で科すと警告した。
グーグルは発表文書で「われわれは率直な情報や明確な管理、内部データに関する強力なガバナンス、安全なインフラ、そして何よりも有益な製品を提供してきた実績を持つ」と指摘。
「今回の決定はこれらの取り組みを無視したもので、フランスの規則や規制上のガイダンスが不透明で常に変化している事実を考慮していない」と反論した。
アマゾンもCNILの決定に反発。「われわれは、変化する顧客ニーズや規制当局の期待に対応するとともに、事業を展開する全ての国で適用されるあらゆる法律を完全に順守するため、プライバシー保護に関する慣行を継続的に見直している」とした。