[17日 ロイター] - 米国の38州・地域は17日、米アルファベット傘下のグーグルを相手取り、反トラスト法(独占禁止法)違反で訴訟を起こした。同社が市場での影響力を利用し、検索エンジンや検索広告のほか、人工知能(AI)音声アシスタントなど新技術でも競争を阻害していると主張した。
グーグルに対する独禁法訴訟は、米司法省のほか、テキサス州主導の10州がすでに提起しており、今回の訴訟で3件目となる。
新たな訴訟で38州・地域の当局は、グーグルに排他的な契約や行為をやめるよう命じることを裁判所に求めた。資産売却を義務付ける可能性にも言及したが、詳細には踏み込まなかった。
ネブラスカ州のダグ・ピーターソン司法長官は金銭での賠償は求めていないと語った。
グーグルは同訴訟に対し、検索サービスの競争は厳しく、これまでに行った変更は消費者に利益をもたらすためだとの見解を改めて表明した。同社の経済ポリシー担当ディレクター、アダム・コーエン氏はブログへの投稿で「裁判所で主張を展開したい」と述べた。
コロラド州司法当局の声明によると、司法省による訴訟と統合されることを求めているという。
訴状は、グーグルの検索事業や検索広告に焦点を当てているほか、グーグルが新技術で支配的地位を確保するために排他的な契約を活用しているとした。一例として、グーグルは音声アシスタント「グーグルアシスタント」を使うデバイスがアマゾンの「アレクサ」など競合サービスを搭載するのを禁じていると指摘した。
アイオワ州のトム・ミラー司法長官は「グーグルは音声アシスタント市場の競合他社が、近い将来にインターネット接続で重要な手法となるコネクテッドカー(つながる車)を通じて消費者にサービスを提供することを妨げている」と述べた。
訴状はまた、企業が検索広告(SA)出稿に使うグーグルのシステム「SA360」は中立的であるべきなのに対し、同社は自社検索サービスに広告主を引き寄せ、競合するマイクロソフトの「Bing(ビング)」から引き離すために利用していると主張している。
グーグルの検索エンジンが自社サービスを優遇している点にも言及。配管工や宿泊施設を検索する自社専用ツールを優遇し、競合する専門サイトは検索結果の表示順位がかなり低くなっているとした。
*内容を追加しました。