[10日 ロイター] - ソフトバンクグループが出資する韓国のネット通販大手クーパンは10日、米市場での新規株式公開(IPO)で1億3000万株を売却し、46億ドルを調達したことを明らかにした。
公開価格は仮条件を上回る1株35ドル。IPOに基づく時価総額は600億ドルとなった。
仮条件は先週発表された当初の1株27─30ドルから32─34ドルに引き上げられていた。
同社のIPOは、先月実施されたマッチングアプリ運営の米バンブルのIPO(21億5000万ドル)を上回り、米市場でのIPOとしては今年最大。
調査会社ピッチブックによると、クーパンが2018年に行った直近の資金調達時の評価額は90億ドルだった。
クーパンは他の多くの電子商取引企業と同様に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴うネット販売需要の増加を追い風に、売上高を伸ばしてきた。
2020年の純売上高は91%増の110億ドル。純損失は5億6760万ドルと前年の7億7020万ドルから縮小した。
同社株はティッカーシンボル「CPNG」で、11日にニューヨーク証券取引所に上場する。
キウム証券のアナリストは「公開価格を見ると(クーパンは)高い評価を受けた。市場シェアトップ企業ということで、投資家が惜しみなく資金を出している」と述べた。
ユーロモニターによると、2020年のクーパンの市場シェアは19.2%。ネイバーは13.6%、イーベイ・コリアは12.8%だった。
クーパンは2010年創業。商品を注文してから24時間以内に届ける「ロケット配送」が人気を博し、事業を拡大してきた。
ソフトバンクグループのビジョン・ファンドはクーパン株の35.1%を保有。600億ドルという評価額は、ビジョン・ファンドにとって朗報になる。
*内容を追加しました。