[上海/北京 11日 ロイター] - 中国証券監督管理委員会(CSRC)は、上海証券取引所傘下の新興ハイテク企業向け株式市場「科創板」の上場基準厳格化を検討している。事業の実態がハイテクと程遠い企業が安易に上場するのを防ぐ狙いだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。
2019年3月に科創板を立ち上げた狙いは、上場のハードルを下げて新興ハイテク企業のイノベーションや成長を促進することだった。ただそれ以降、一部の企業は規制が厳しいメインボードを避けるだけの目的で、ハイテク企業を装って科創板に上場を申請。この関係者は「企業は地方当局からハイテク企業だと簡単に認定してもらえる。結果として今なお、売上高の4分の3を伝統的事業から得ている上場企業がある」と指摘した。
こうした中で関係者の話では、CSRCは科創板に上場を希望する企業に対して、本当に革新的でハイテク事業が中心である証拠をより多く提出するよう求めることを考えている。新規株式公開(IPO)の規制緩和を進めながら、投資家保護にも配慮しなければならないCSRCの苦心ぶりがうかがえる。
上海証券取引所のサイトによると、9日現在、科創板に上場している企業は236社で、約100社が承認を待っている段階だ。
*見出しと本文の「科創版」を「科創板」に訂正します。