[6日 ロイター] -
<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが約2年ぶり高値に急騰した。米連邦準備理事会(FRB)が6日に公表した3月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、50ベーシスポイント(bp)の利上げを実施するとの観測が強まった。
主要6通貨に対するドル指数は一時99.7780と、2020年5月以来の水準に上昇。終盤は0.1%高の99.588だった。
FOMC議事要旨では、特にインフレ圧力が強まった場合には、今後のFOMCで大幅な利上げ決定が適切とみていたことが明らかになった。また、3月FOMCでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を50bp引き上げることが望ましいとの考えが示されていたことも分かった。
LPLファイナンシャル(ノースカロライナ州シャーロット)のチーフマーケットストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「ハト派の一部も50bp引き上げへの賛成に回ったという認識だ。インフレ圧力が高止まりしているため、今後数回の会合でも同様の議論が見られる可能性が高い」と指摘した。その上で「ウクライナ情勢を巡る不確実性を受け、FRBは3月会合での50bp利上げを踏みとどまった可能性が高い。今後も極端なタカ派的姿勢には水が差されると考えられるが、それでも複数回の利上げが極めて近い将来に行われることは確実だ」と述べた。
またこの議事要旨では、FOMCが保有国債を月600億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を月350億ドル削減することで「おおむね合意」していたことが分かった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米金融・債券市場では、10年債利回りが上昇したものの、伸び悩んだ。米連邦準備理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、バランスシートの縮小が来月にも開始される可能性が示された。
FOMC議事要旨では、保有国債を月600億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を月350億ドル削減することで「おおむね合意」していたことが分かった。3カ月、あるいは「やや長い期間」をかけ、段階的に実施する見込みという。
アプタス・キャピタル・アドバイザーズの債券アナリスト、ジョン・ルーク・タイナー氏は「月950億ドルを実際に削減するまではバランスシートは縮小しない」と述べた。
2年債利回りは小動き。序盤には上下に約8ベーシスポイント(bp)振れる場面があった。一方、10年債利回りは上昇を維持し、2・10年債の利回り差は拡大した。
10年債利回りは5.5bp上昇の2.609%。2年債利回りは2.504%で変わらずだった。2・10年債の利回り差は10.28bpとなった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場は続落。ハイテク株やグロース株の下げが目立った。午後に入り発表された3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨からは、連邦準備理事会(FRB)当局者が月間950億ドルのバランスシート縮小で「総じて合意」していたことが分かった。
ハイテク株が中心のナスダック総合は、2日連続で2%超値下がりした。
米株市場は積極的な利上げを示唆するブレイナードFRB理事の発言を受けて、前日から下落していた。
インガルズ・アンド・スナイダーのシニアポートフォリオストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「FRBはインフレを抑制する決意だ。景気後退につながるハードランディングではなく、ソフトランディングになることを祈るしかない」と語った。
S&P主要セクターでは情報技術と一般消費財がともに約2.6%安と下げがきつかった。S&Pグロース指数は約2%安。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米金利とドル上昇を眺めた売りとインフレヘッジとしての買いが交錯した後、小安い水準に沈んだ。
引け後に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控え、この日の相場は動意薄。ハト派と目される連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事が5日、0.5%の大幅利上げや5月会合での資産縮小開始の可能性を示唆する中、6日も米長短金利が一段と上昇し、外国為替市場ではドルがユーロなどに対して堅調に推移した。これらが利回りを生まず、ドル建てで取引される商品としての割高感となって、金塊相場の上値を 抑えた。
一方、ウクライナ危機に伴うインフレ高進観測は金塊の支援材料。ロシア軍による民間人殺害を理由に、米政府は6日、ロシアに対して銀行最大手との取引禁止や新規投資の全面禁止を柱とした追加制裁を発表した。欧州連合(EU)も5日にロシア産石炭の輸入や船舶入港を禁じる制裁案を発表しており、制裁強化が一層の物価高と世界経済の下押し圧力につながるとの警戒感もくすぶった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米原油在庫の予想外の増加、消費国による石油備蓄放出の報道で売りが強まり、大幅続落した。
EIAが発表した1日までの1週間の米原油在庫は前週比240万バレル増と、市場予想(210万バレル減=ロイター調査)に反して積み増しとなり、原油相場は統計発表後にマイナス圏に沈んだ。
また、ロイターが6日、米政府と国際エネルギー機関(IEA、本部パリ)当局者の話として報じたところによると、日米欧など石油の主要消費国が加盟するIEAは米国以外の加盟国が計6000万バレルの石油備蓄を追加放出する方針で合意。バイデン米政権は3月31日、米国の戦略石油備蓄から日量100万バレルを今後6カ月間放出すると明らかにしている。備蓄の放出で需給逼迫懸念が和らぐとの見方が広がった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 123.79/123.82
始値 123.96
高値 123.98
安値 123.48
ユーロ/ドル NY終値 1.0893/1.0897
始値 1.0911
高値 1.0937
安値 1.0880
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 92*10.00 2.6228%
前営業日終値 93*03.50 2.5820%
10年債(指標銘柄) 17時05分 93*24.00 2.5975%
前営業日終値 94*03.50 2.5540%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*04.00 2.6888%
前営業日終値 99*03.00 2.6950%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*17.63 2.4837%
前営業日終値 99*16.38 2.5040%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34496.51 -144.67 -0.42
前営業日終値 34641.18
ナスダック総合 13888.82 -315.35 -2.22
前営業日終値 14204.17
S&P総合500種 4481.15 -43.97 -0.97
前営業日終値 4525.12
COMEX金 6月限 1923.1 ‐4.4
前営業日終値 1927.5
COMEX銀 5月限 2445.8 ‐7.6
前営業日終値 2453.4
北海ブレント 6月限 101.07 ‐5.57
前営業日終値 106.64
米WTI先物 5月限 96.23 ‐5.73
前営業日終値 101.96
CRB商品指数 293.1411 ‐5.0119
前営業日終値 298.1530