[マニラ 8日 ロイター] - フィリピン統計局が8日に発表した第2・四半期の同国の国内総生産(GDP)は前年同期比5.5%増と、ロイターがまとめたアナリストの予想中央値(5.9%増)を下回った。伸び率は第1・四半期の5.6%からも若干鈍化し、過去17四半期で最も低い成長率となった。
ペルニア国家経済開発庁長官は記者会見で、2019年通年の成長率目標である6─7%の下限を達成するためには、下期は最低でも6.4%の経済成長が必要だとの認識を示した。
2019年度予算の議会承認が遅れていることや歳出ペースの減速が弱い経済成長の背景にあると説明した。
フィリピン経済はアジア諸国の中でも特に堅調を維持しているが、米中貿易摩擦の激化による影響などで景気下振れリスクが高まっている。今年の成長率目標の達成は危うくなっており、中銀は一段の金融緩和を行うとエコノミストは予想している。
<中銀はきょう利下げの公算大>
フィリピン中銀はこの日の会合で、主要政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げると見込まれている。
ペルニア長官は会見で「ジョクノ氏は成長を重視する中銀総裁だ。金融政策でいかに経済を刺激するか、(GDP統計を踏まえて)判断することになるだろう」と語った。
エコノミストは、経済の重しとなった輸出不振と、政府支出の遅れにより、一段の金融緩和の可能性が高まったと指摘している。
キャピタル・エコノミクスのアジア担当エコノミスト、アレックス・ホームズ氏は「きょうはより積極的な50bpの利下げがあるかもしれない」と話す。
RCBCのエコノミスト、マイケル・リカフォート氏は、成長鈍化を受けて中銀は少なくとも25bp利下げするとの見方を示した。
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