[シドニー 4日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のエリス総裁補は4日、インフレ率について、国内小売業界の競争激化が価格決定モデルに「大きな」影響を及ぼしており、政策当局が予測を立てる際に重要な問題になっていると指摘した。
同国の小売市場には、米アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)など世界的な大手企業が参入。価格競争が起きており、物価が伸び悩む主因となっている。
同国の基調インフレ率は、中銀の中期目標である2─3%を過去3年以上下回っており、中銀が利下げを進める大きな原因となっている。
エリス総裁補はメルボルンの南西に位置するジーロングで講演し「小売価格は過去10年前後、長期にわたって全体のインフレ率とほぼ同じペースで上昇する傾向があったが、現在の小売価格は横ばいもしくは低下している」と指摘。
「これは、消費者物価指数の一部の重要な分野で見られる価格決定行動の大きな変化だ」とし、「こうした動きがいつまで続くのかという問題が、インフレ予測を立てる際にわれわれの重要な課題となっている」と述べた。