[ニューヨーク 16日 ロイター] - スペインのカルビニョ経済相代行は16日、カタルーニャ自治州の経済成長率が国内の平均水準に回復すれば、スペインの成長率は欧州連合(EU)全体を一段と上回るとの見通しを示した。
同氏は、ニューヨークで行われたロイターのイベントで、「過去2年余り、カタルーニャでは政情がきわめて不安定となり、社会的にも緊張が高まった。これは明らかに経済に影響したと思う」と述べたが、どの程度影響したかなどの詳細は明らかにしなかった。
カタルーニャはスペイン全体の経済成長の原動力だが、近年は他の欧州の主要経済国同様、成長ペースが鈍化しているほか、独立の是非を巡る最近の混乱の余波も経済の足を引っ張っている。
2017年の独立問題を巡る混乱を受けて、4000社を超える企業がカタルーニャから本社を移転した。
カルビニョ経済相代行は、「カタルーニャは国内で最も活気ある地域の1つだったが、現在は経済成長率が他地域の平均を下回っている。スペインは、大変よくやっている。カタルーニャがこのような状態でなければもっとよくやれていたと思う」と述べた。
スペインはユーロ圏第4位の経済規模で、2013年に5年にわたる不況を脱却して以後は、欧州の大半の国を上回る経済成長を達成している。最近下方修正された2019年の見通しでも2.1%と、EU全体で予想されている1.1%を上回る水準となっている。