[18日 ロイター] - 米プロバスケットボールNBAのヒューストン・ロケッツの幹部が香港のデモを応援するツイートを投稿し、中国が反発している問題で、NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は17日、NBAが中国ですでに多額の損失を被っていることを明らかにした。
NBAは長年かけて中国に巨大なファン層を築き上げ、中国での市場規模は推定40億ドルに達していた。
シルバー氏はニューヨークで開かれた「タイム100ヘルス・サミット」で「中国の人々との文化交流で非常に大きな進展があったと感じていた。その多くが失われたことを改めて遺憾に思う」と発言。
「ここからどこに向かうのか、私にはわからない。ただ、金銭的な影響はかなり大きく、今後もこうした状況が続く可能性がある」と述べた。
中国では、ロケッツのゼネラルマネジャー(GM)のダリル・モーリー氏が香港のデモを応援するツイートを投稿したことを受けて、NBAの試合が放映中止となったほか、スポンサー企業もNBAとの関係を見直している。
アジア訪問後初めて公の場に姿を現したシルバー氏は、中国政府からモーリー氏の解任を求められたと発言。「解任の可能性はないと伝えた。モーリー氏を処分する可能性もない」と述べた。
シルバー氏は先に、モーリー氏の表現の自由を尊重するとして、謝罪を拒否している。
中国外務省の報道官は18日の定例会見で、中国政府がモーリー氏の解任を求めた事実はないとコメントした。