[ウィーン 5日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は、世界経済の成長でエネルギーに対する需要は高まるものの、米国のシェール生産やその他競合するエネルギー源が拡大する中、向こう5年でOPECの石油供給量は減少するとの見通しを示した。
OPECは5日に公表した2019年世界石油見通しで、OPECの原油などの生産量が2024年までに日量3280万バレルまで減少すると指摘した。19年の生産量は日量3500万バレル。
欧米における気候関連活動の高まりや代替燃料の利用拡大を背景に長期的な石油需要への評価が厳しくなる中、OPECは今回の報告書で中期と長期の石油需要見通しを引き下げた。
23年の石油消費は日量1億0390万バレルに達する見通し。昨年の報告書で見込んでいた日量1億0450万バレルから引き下げた。
40年までに石油需要は日量1億1060万バレルに達すると見込んだ。こちらも昨年の見通しから引き下げた。
OPECは需要見通しを引き下げた理由について、最近の経済成長見通し引き下げに加え、効率性の向上やその他燃料の利用を挙げた。経済協力開発機構(OECD)に加盟する工業国では2020年の後に石油需要が減少すると見込む。
OPECは電気自動車の「勢いが増している」と指摘。OECD加盟国では2040年までに新たな乗用車全体のほぼ半分を占め、中国では約4分の1、世界では26%以上を占める見通し。