[ウィーン 5日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)のバルキンド事務局長は5日、原油市場が来年に上向く可能性があると述べた。
バルキンド事務局長は来年の原油市場について、10月時点では供給過多の懸念から一段の減産などを含む選択肢が排除できない状況にあったが、現在では楽観視していると表明。これまで世界経済の重しとなっていた通商問題に改善の兆しが見られるほか、米経済も堅調だとし、「暫定見通しに基づくと(原油市場は)来年に上向く可能性がある」と述べた。
このほかブラジルのOPEC加盟について、正式な加盟の申請はまだないものの、歓迎すると表明した。
OPECはこの日に公表した2019年世界石油見通しで、世界経済の成長でエネルギーに対する需要は高まるものの、米国のシェール生産やその他競合するエネルギー源が拡大する中、向こう5年でOPECの石油供給量は減少するとの見通しを示した。
OPEC加盟国とロシアなどの非加盟産油国(OPECプラス)は今年1月から日量120万バレルの協調減産を実施。減産は来年3月末が期限となっており、12月5─6日に会合を開き、今後の方針を決める。