[シドニー 19日 ロイター] - 中国の成競業・駐オーストラリア大使は19日、オーストラリアは中国の批判をやめるべきで、二国間関係を改善させたければ中国の発展を機会として捉えるべきだとの見解を示した。
オーストラリアでは中国のスパイによる工作活動疑惑が相次いで浮上しているほか、豪政府は中国が太平洋地域で影響力を拡大しようとしているとして懸念を示しており、両国の関係は近年、悪化している。
同大使はシドニーで記者団に、2019年は両国の関係にとって「複雑な年」だったとしたうえで。「お互いの発展を脅威と捉えるのではなく、機会として捉えることが重要だと考える」と語った。
豪政府は数カ月間、中国に対する公式な批判を控えることで両国関係の緊張を緩和させようとしていた時期もあったが、ここ数週間は南シナ海での軍事拠点づくりや少数民族の弾圧、豪国籍作家の身柄拘束などを巡って豪政府の閣僚や高官が中国を非難し、中国の反発を招いている。
ペイン豪外相は10月、新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族を中国政府が弾圧しているとされる問題に言及し、人権問題について豪政府は沈黙しないと発言した。
中国政府がウイグル自治区に強制収容所を設けてウイグル人を弾圧しているとの批判が国際社会で高まっているが、中国政府はこれを否定している。
同大使は「ウイグル族を強制収容しているというのは全くの偽ニュースだ」と強調した。
ペイン外相が今月初め、スパイ容疑で中国当局に身柄を拘束されている中国系オーストラリア人作家、楊恒均(ヤン・ヘンジュン)氏が手足を縛られた状態で毎日尋問を受けるなど「容認できない」状態に置かれているとする声明を発表したことについても[nL4N28C0Z9]、楊氏は人道的な扱いを受けていると主張した。