[ソウル 30日 ロイター] - 北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は30日、金正恩朝鮮労働党委員長が29日、党中央委員会総会で、国家の主権と安全保障の確保に向け「積極的かつ攻撃的な措置」をとる必要性を訴えたと報じた。
党中央委員会総会は、米国との非核化交渉の期限と定めた年末を控え、金委員長の主宰で28日から開催された。韓国統一省によると、今回の総会は、金正恩体制下で最大規模。KCNAによると、総会はまだ続いており、2日以上開かれるのは金体制では初めて(韓国統一省報道官)という。
金委員長は外交、軍需産業、国防分野における行動を提案し、「現在の状況で求められる国の主権と安全保障の完全な確保に向け、積極的かつ攻撃的な措置」をとる必要性を強調したという。
農業、科学、教育、公衆衛生、環境の改善措置などを含む国家運営および経済面の問題についても議論し、「国家経済の主要産業部門の深刻な状況を早急に是正するための措置」を提示したという。
北朝鮮大学院大学(ソウル)のヤン・ムジン教授は、「積極的かつ攻撃的な措置」という表現は、米国、そして韓国に対するかなり挑発的行動を意味する可能性があると指摘した。
北朝鮮は、米国との非核化交渉について年末を期限と定めて、繰り返し米国の譲歩を迫っている。今月、年末にどんな「クリスマスプレゼント」をもらえるか決めるのは米国政府だと警告。米軍関係者の間では、長距離ミサイルの発射実験が行われる可能性があるとの見方がでている。
オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は29日、北朝鮮が長距離弾道ミサイルや核ミサイルの実験を行えば米国は非常に失望すると発言。世界の軍事・経済大国として米国は適切に対処する方針を示した。
こうしたなか、国連安全保障理事国は30日、中国とロシアが提案した対北朝鮮制裁の一部緩和に関する案を巡り2回目の非公式協議を行う予定だ。
*内容を追加しました。
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