[ドバイ 5日 ロイター] - イラン政府は5日、ウラン濃縮に関して一斉の制限を撤廃すると発表し、2015年に主要6カ国と結んだ核合意からさらに逸脱する姿勢を打ち出した。ただ、国連の監視機関への協力は続けると付け加えた。
国営テレビが伝えた政府声明によると、今後はウラン濃縮に用いる遠心分離機の数や、濃縮能力、濃縮度、核開発活動などについて、先の合意で設けられたいかなる制限も尊重しない方針。「イランは技術的な必要に基づいて、ウラン濃縮を無制限に継続する」という。
イランは、2018年に米国が核合意から離脱し、イランに再び石油禁輸の制裁を科して以降、これに反発して段階的に核合意に違反する行動を取り続けている。3日には米軍がバグダッドでイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害し、米・イラン関係の緊張が一段と高まっている中で、イランが新たな強硬措置を講じた形だ。
一方、声明では米国が制裁を解除すればすぐに違反行為を撤回する可能性も示しており、専門家はイランが外交交渉の余地を残したと指摘している。