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米上院でトランプ氏弾劾裁判開始、21日から審理

発行済 2020-01-17 08:35
© Reuters. 米上院でトランプ氏弾劾裁判開始、21日から審理

[ワシントン 16日 ロイター] - 米上院でトランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾裁判が16日始まった。裁判長を務めるロバーツ最高裁判事が上院本会議場で宣誓したほか、陪審員役を務める上院議員が同意書に1人ずつ署名した。来週21日に冒頭陳述が行われ審理が開始される。

一方、米政府監査院(GAO)は同日公表した報告書で、ホワイトハウスによる昨年のウクライナ軍事支援凍結について、議会で法制化された予算を大統領自身の政策の優先順位により使い分けることは認められていないとし、法律違反だったと結論づけた。

ウクライナ支援の凍結は下院の弾劾訴追の根拠の1つとなっている。

弾劾裁判で首席検察官役を務める下院情報特別委員会のシフ委員長は上院本会議場で昨年12月18日に下院が可決した弾劾訴追決議を読み上げた。弾劾決議は、ウクライナ疑惑を巡るトランプ大統領の権力乱用と議会妨害の2つの条項で構成されている。

民主党は総額3億9100万ドルのウクライナ支援の凍結は、トランプ氏の政敵である民主党のバイデン前副大統領を捜査するようウクライナ政府に圧力を掛ける目的があったと主張している。

同軍事支援の予算は、ウクライナ政府による親ロシア派武装勢力の制圧のために米議会が承認していた。昨年9月に支援は実施された。

GAOは報告書で、大統領は、法律で規定された特定の状況下でのみ予算の執行を保留できるという「厳密に限定された権限」しかないと指摘。政策目的で予算の執行を保留するのは認められていないとした。

ただ、GAOは政権高官らを訴追する権限はなく、その判断に法的拘束力もない。それでもなお、議員らはGAOの報告書は客観的で信頼に足るものだと見なしている。

民主党のペロシ下院議長はGAOの結論によって「上院の文書や証人の必要性が一層強まった」と強調。弾劾裁判では証人招致や新たな証拠提出が行われるかどうかが重要な論点となっており、審理期間の長さを決定する要因にもなる。

弾劾裁判で有罪・罷免されるには3分の2の賛成が必要だが、上院の共和党53人はいずれもトランプ氏解任を支持しておらず、裁判でトランプ氏が有罪となる可能性は低いとみられている。

*内容を追加しました。

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