[ワシントン 16日 ロイター] - 米国防総省の高官は16日、国土安全保障省から総延長約435キロメートルの壁をメキシコとの国境沿いに建設するよう要請を受けたと明らかにした。国防総省の麻薬密輸対策費が転用される見通しだという。
議会民主党はトランプ大統領によるこれまでの国防予算の転用に反対しており、今回の要請を巡り再び対立姿勢を強める可能性がある。
高官は匿名を条件に、要請された壁建設の費用と実行可能性を現在検討していると明らかにしたが、費用について観測を語るのは控えた。
13日の米紙ワシントン・ポストは、トランプ政権が国防予算72億ドルの転用を要請する方向で検討を行っていると報じていた。
同政権は、大統領選挙が行われる2020年11月までに、最低限でも総延長644キロの壁を建設すると公約してきた。
米税関・国境警備局の12月下旬時点の統計によると、これまでに建設された壁の総延長は160キロにわたる。
今回要請があった壁建設がいつ始まるかは不明。ただ、高官は、建設のための費用は現会計年度が終了する9月30日までに使う必要があると語った。