[ドバイ 21日 ロイター] - イランの誤射によって墜落したウクライナ旅客機のブラックボックス解析を巡り、カナダとイランが対立を深めている。
イランの航空当局者は19日に回収した墜落機のブラックボックスはイランでの解析を目指す考えを示し、ウクライナに引き渡す決定が下されたとの報道を否定。またイラン民間航空機関は20日遅くに発表した報告書で「適切な機器や設備が提供されれば、(ブラックボックスの)情報を短期間で取り出し、再構築することが可能だ」とした。
さらに必要な装置のリストをフランスの航空事故調査局(BEA)と米運輸安全委員会(NTSB)に送付したとした上で、「イランに対する装置提供について、これらの国々から現時点で前向きな回答をもらっていない」とした。
報告書では、ウクライナ旅客機がイランの空港から離陸した数分後にトールM1地対空ミサイル2基が発射されたことも明らかにされた。
一方、カナダのトルドー首相は記者会見で、速やかにデータを取り出す必要性を強調。「適切な専門家が必要だが、技術や設備の問題もある。イランには不可能だ。国際社会でのコンセンサスは、フランスがブラックボックスの送付先として適しているとの見方であり、そうするようイランに圧力をかけ続ける」とした。