[ソウル 22日 ロイター] - 韓国中銀が発表した第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、政府支出の急増を受けて、前期比で約2年ぶりの高い伸び率を記録した。ただ、輸出不振や世界的な貿易摩擦を背景に、2019年通年のGDP伸び率は2.0%と、2009年以来10年ぶりの低水準だった。
第4・四半期GDPは、季節調整済み前期比1.2%増加し、2017年第3・四半期以降で最も高い伸びとなった。ロイターがまとめたアナリスト予想中央値(0.8%増)も上回った。
スタンダード・チャータード銀行(ソウル)のエコノミスト、Park Chong-hoon氏は「成長を押し上げたのは明らかに政府支出で、足かせとなったのは輸出だ」と指摘。その上で「米中の通商合意署名や中国の景気刺激的財政政策を背景に今年の輸出見通しは改善している」と語った。
第4・四半期は、公共インフラへの政府支出増と民間消費の回復が成長率を押し上げた。一方、輸出は成長にまったく寄与しなかった。
民間消費は第4・四半期に前期比0.7%増、建設投資は6.3%増。一方、輸出は数量ベースで0.1%減少した。
第4・四半期GDPは前年同期比では2.2%増加。1年ぶりの高い伸びを記録し、予想(1.9%増)を上回った。
韓国中銀の高官は「(2019年通年の成長率)2%のうち、政府部門の寄与はネットベースで1.5%ポイントと、2009年以来の大きさだった。しかし、輸出の点では韓国にとって厳しい年だったという事実に変わりはない」と指摘した。
また、GDP統計発表後に行われた記者会見で、別の中銀当局者は、中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大が消費支出に打撃を与えかねない新たなリスクとなっていると指摘した。
同当局者は「中東呼吸器症候群(MERS)の感染が広がった際には、外出や旅行を控える動きが出た。この点からすると新型ウイルスの感染拡大によって、消費は減少する可能性がある」と語った。
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